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ゲンタシン軟膏

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ゲンタシン軟膏とは?

できてしまったものは仕方ありません。

問題は、そのにきびを放置するのではなく、できるだけ早いケアをして、いかに症状を悪化させないようにするかです。
ゲンタシン軟膏の画像
現在、にきび治療に有効とされる治療薬は市販薬も含めると数多く存在しますが、ゲンタシン軟膏もそのひとつです。

ただし、できてしまったにきびの状態によっては、ゲンタシン軟膏の効能が発揮されず、改善効果がみられなかったり、薬の副作用が現れる人もいます。

また、併用に注意が必要な薬もあるようです。

そこで、ゲンタシン軟膏とは、いったいどのような治療薬なのか、コレだけは押えておいてほしい基本知識についてまとめておきましょう。
にきび治療で用いられる医薬品

内服薬
テトラサイクリン系:
・ミノサイクリン(ミノマイシン、ミノスタシン)
・ドキシサイクリン(ビブラマイシン)

マクロライド系:
・クラリスロマイシン(クラリス、クラリジット)
・ロキシスロマイシン(ルリッド)

セフェム系:
・セフポドキシムプロキセチル(バナン)
・セフジニル(セフゾン)
・セファクロル(ケフラール)
・セフカペンピボキシル(フロモックス)
外用薬
医療法医薬品
・ゲンタシン軟膏
・ダラシンTゲル
・アクアチウム軟膏
・アクロマイシン軟膏
・デキサンVG軟膏
・イオウカンフルローション …etc

一般用医薬品
・クレアラシル
・ビフナイト
・ピンプリット
・エスカメル
・ペアアクネクリーム
・アポスティークリーム
・メンソレータムアクネス …etc

ゲンタシン軟膏が有効なにきび症状

アミノグリコシド系の抗生物質ゲンタシン軟膏には、細菌がタンパク質を合成するのを阻害する作用があるため、菌の繁殖を抑えることができます。

そのため、主に細菌を原因とした皮膚感染症の治療薬として広く用いられますが、軟膏に含まれる主成分ゲンタマイシン硫酸塩(ゲンタシン軟膏は製品名)が抗菌力を示す菌には、主に下記のような菌種が挙げられます。

適応菌種
ゲンタマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌を除く)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、プロビデンシア属、モルガネラ、セラチア属、緑膿菌 …など

にきびの原因菌と言えば、毛穴内部で増殖して炎症を起こすアクネ菌が有名ですが、にきびの症状を悪化させる大きな影響力を持った菌は、なにもアクネ菌だけとは限りません。

たとえば、黄色ブドウ球菌もそのひとつだと考えられています。

黄色ブドウ球菌の画像※右記:参考写真のように、拡大するとちょうどブドウの房のように連なった形状をしていることから、そう名付けられました。

黄色ブドウ球菌とは、人の皮膚や鼻、耳の穴などに存在する常在菌の一種で、健康な皮膚に対しては通常は無害です。

ところが、アクネ菌などによって既に炎症が起こっていると、傷口などから黄色ブドウ球菌が侵入してしまい、菌を増殖させてしまうことがあります。

黄色ブドウ球菌は、化膿性疾患の代表的な原因菌のひとつですが、傷口から侵入した黄色ブドウ球菌は病原性を発揮し、アクネ菌よりも激しい炎症を起こすのが特徴で、膿をもつようなにきびに悪化させるなど、治療を難しくさせる要因にもなっているようです。
治療効果
そのため、にきびに関しては、ゲンタシン軟膏は主に膿をもった化膿性疾患に優れた効果効能を発揮する治療薬とされており、逆に膿をもたない軽度の白にきびや黒にきびなどにはあまり効果が期待できないとも言われています。

つまり、ゲンタシン軟膏は殺菌作用により炎症を抑える薬なので、菌の増殖により赤く腫れ上がっている(あるいは化膿している)ようなにきびに対して大きな効果が期待できるということです。


ゲンタシン軟膏の副作用とデメリット

ゲンタシン軟膏は塗り薬タイプの外用薬なので、内服薬として処方される抗生物質などに比べれば安全性の高い治療薬と言えますが、副作用が全くないわけではありません。

軟膏を塗布した後に現れる副作用として、主に下記のような症状が報告されており、長期間、あるいは広範囲の使用の際には特に注意が必要です。

主な副作用
発疹、発赤、痒み、腫れ、水膨れ …など
長期間、広範囲に使用する場合
耳鳴りや難聴(耳が聞こえにくい)、眩暈、腎障害といった症状を起こす恐れがある

※軟膏に関する副作用であり、ゲンタマイシン硫酸塩注射液等に関しての副作用については触れていません。

ゲンタシン軟膏の主な効能は殺菌≠ニ炎症の抑制≠ネので、炎症性のにきび治療には一定の効果が期待できますが、長期間の使用は効果が薄れる場合もあるようです。
治療ポイント
また、中には副作用が強く出てしまう人もいるようなので、体質によってはかえってにきび症状を悪化させてしまうケースがある!ということも併せて押えておきましょう。

なお、副作用が出る出ないにかかわらず、下記の条件に該当するような方は、ゲンタシン軟膏を使用する前に、必ず担当の医師や薬剤師に伝えて下さい。

使用前に医師等に伝えるべき人
・以前にゲンタシン軟膏を使用して、痒みや発疹などの症状が現れた方
・腎障害、肝障害のある方
・妊娠中、妊娠している可能性がある、授乳中の方
・他に薬を使用している方(併用が危険な薬があるため)
〔一例〕
・デキストラン、 ヒドロキシエチルデンプン等の血液代用剤
・エタクリン酸、フロセミド等のループ利尿剤
・バンコマイシン、 エンビオマイシン等の腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
・シクロスポリン、ホスカルネット、アムホテリシンB等の腎毒性を有する薬剤
・パンクロニウム臭化物、ツボクラリン、 ベクロニウム臭化物、 トルペリゾン等の麻酔剤や筋弛緩剤
・シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン等の白金含有抗悪性腫瘍剤

豆知識:ゲンタシン軟膏の使い方

軟膏自体はやや白みがかった半透明の色をしており、臭いもほとんどしません。

軟膏の画像ただし、オロナイン軟膏などと同様、粘着性が高く、塗布した後は拭き取らない限りいつまでもベタツキ感が残るため、人によっては苦手な方もいるかもしれません。

ゲンタシン軟膏の使用方法はいたって簡単で、1日1回〜数回(症状によって異なってくるため、必ず医師の指示に従うこと)患部に塗布するか、ガーゼなどに取って延ばしたものを貼り付けて使用します。

なお、塗り忘れた際は、気付いた時点(次に塗る時間が近い場合は、塗らずに次の分から指示どおり使用すること)で1回分を塗布し、2回分を一度に使用するような行為は禁止されています。

なお、本文でも説明していますが、ゲンタシン軟膏の長期間使用は好ましくないため、治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが大切です。